昨年の後半はバビロンバンドの録音に集中していたのだが、そのときからアトリエの機材の調子がおかしくなってきた。
ベースアンプに至ってはプツっと言ったまま音が出なくなったので、一気にメンテナンスをやりはじめた。昨年12月の半ばから休み休み作業しているのだが、今後手間がかからぬよう、いろいろやりだすときりがない。怪しい電解コンデンサーは全て交換してしまおう、と秋葉原へ買い物に出る。結局クリスマス時期から正月明けまでは、毎日はんだ付けをやっていたような気がする。こうして久しぶりにいろいろとメンテナンスをすると、古い機材は美しいなあ、と思ってしまいます。やはりずっと使いたいのは古い機材。人が作った!という基盤の無骨さが面白いし、メンテもしやすい。でも90年代以降になるとチップの実装パーツが増えてくるのでメンテもしにくいし、何だかエンジニアの情熱を省略しているよなパターンに見える。そう思った機材は次回は捨てて買い直そうと思った。それが現代の道具というものなんですね。さてさて、今回はじめて開けて驚いたのが、古いリズムボックス。
今ならばちょっとしたICにプログラムが入ってしまうのだろうが、これは、あたりまえですが「アナログ」ですね。職人のアートを見るような気がしました。
今回はデジカメが大活躍で、いろいろな角度から撮影しておけば、うっかり切れたり、外れてしまった配線がどこに繋がっていたのか、そのあたりが把握できました。
電解コンデンサーはどんどん小型化が進んでいて、いざ購入してくると小さすぎて取り付けにくいことがしばしばありました。現物を持って、デジカメを持って、秋葉の店の親父と相談です。「このコンデンサーは1975年製だね~」と親父もなんだか嬉しそうです。帰り際に親父が言いました。「また30年後に君はここに買いに来るんだな。よろしくな。」
親父のキメ台詞なのか? いやいや、こんな会話も楽しいものです。
以下は自分の記録のためのメモと画像集
電解コンデンサーは液漏れはじめると醜いので、たまにチェック。
部品は高級品ではなく汎用品で十分。
ベースアンプの音は凄く良くなった。
JCはオペアンプ交換でノイズは減り、音色も変化。録音でどう出るか。
ポットは秋月のポットに交換、これはもう少し良いものが良かったかもしれない。
結果が悪ければ再チャレンジ。
リズムボックスのノイズの原因は基本的なトランスの位置。
一年とは年を追うごとに早くなっていくものだ。年末は特に出かけることもなく、アトリエでのんびりと過ごす。ベタな紅白歌合戦を見るのもいいが、今年はボクシングを楽しみにしていた。アトリエにはテレビがないので内山戦の時間を狙って自宅に駆け込んだ。試合はにらみ合いが続いたが、最後は内山の連射にてTKO。素晴らしいの一言。内山はまるで武士のようだ。謙虚で控えめで、静かだが熱い。かつて好きだったボクサー渡辺二郎に通じる「間」を感じる。私の歴代のボクサーの好みは渡辺二郎、勇利アルバチャコフ、そして内山だ。皆いつかはあっけなく倒れてしまうのだが、その日まで私もじっくりと応援したい。彼らのようなボクシングは本当に美しい、と思う。自分が体を使うことと言えばドラムなのだが、いつか彼らのような間と静かでも熱いエネルギーを持ったドラムが演奏したいと思っている。毎日のトレーニング、これが必須なのだと思う。さて、頑張ろう。
この試合で眠気が飛んでしまったので、そのまま朝になる直前に近所の日枝神社にお参りに行った。もう少し早ければ甘酒が飲めたのだが、行ったときには既に片付けが始まっていた。おっと、残念な幕開け。今年を暗示しているのか?明るく照らされた境内、巫女さんもまぶしいほど。今年の祈願をすませて、自宅に戻った。
写真は一緒にテレビを見る山崎家の猫、「なつめ」